様々な薄毛治療方法
目次

AGAの原因は遺伝だった?

顕微鏡を覗いている研究員

AGAの研究は飛躍的に進んでおり、2005年にドイツの研究チームは、AGAの遺伝的要素のメカニズムの1部を解明したと発表しました。
これによりAGA発症の条件の1つが、遺伝による体質であることが明らかになったのです。

AGA発症のメカニズムは、男性ホルモンと深く関係しています。
血液中の男性ホルモン(アンドロゲン)の1つテストステロンは、頭皮の毛根深部にある還元酵素の5αリダクターゼと結びつくことでDHT(ジヒドロテストステロン)に代謝されます。
このDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根にある男性ホルモン受容体(アンドロゲン受容体)に作用すると、強力な発毛抑制作用物質TGF-β1を生み出します。
この働きで、毛サイクルのうち健康な毛髪を育成する成長期が短くなり、丈夫な剛毛となる前に抜け落ちることで薄毛が起こるのです。

毛サイクルは通常3~4か月の休止期の後、2~6年ほどの成長期で毛髪を育成して、丈夫な剛毛を作り上げます。
毛髪の育成は、頭皮の毛根にある毛乳頭という組織で行われます。
毛乳頭は毛細血管から栄養を取り込んで毛母細胞を分裂成長させることで毛髪を作り出しているのです。

成長期の後は2週間ほどの退行期に入り、毛髪の根元が頭皮にある毛乳頭から切り離されて脱毛していき、休止期に入るというサイクルを繰り返しています。
AGAを発症すると成長期が数か月~1年程度に短縮してしまうため、丈夫な毛髪となる前に退行期に入り脱毛して薄毛を引き起こします。

アンドロゲン受容体の感受性の高さと、5αリダクターゼの活性力の強さはどちらも遺伝によって受け継がれることが分かっています。
5αリダクターゼの活性力が高ければ高いほど、そしてアンドロゲン受容体の感受性が高いほど、AGAを発症する確率が上がると言えるでしょう。
ただし、ドイツの研究チームも指摘する通り、これだけがAGA発症の条件だと断定することは出来ません。
さらに研究が進むことで、より一層詳しいことが明らかになっていくでしょう。

自分がAGAになるかどうかで母方の親戚を見る理由

AGAの発症メカニズムに関わる要素のうち、アンドロゲン受容体の感受性の高さは、X染色体によって遺伝することが分かっています。
つまりAGAを引き起こす人のX染色体が、薄毛になりやすい要因を持っていると言えます。
男性はX染色体とY染色体を1つずつ持つため、X染色体が「薄毛要因を持つX染色体」であった場合はAGAを発症する確率が上がります。

AGA患者の「薄毛要因を持つX染色体」は、母親から遺伝します。
母親の性染色体はXX型です。母親はその父親(祖父XY型)と母親(祖母XX型)からX遺伝子を1ずつ受け継ぎます。
この場合どちらかの親のX染色体が「薄毛要因を持つX染色体」の場合、母親に受け継がれることがあります。
特に父親(祖父)のX染色体が「薄毛要因を持つX染色体」であった場合は、確実に母親に遺伝することになります。

その息子(XY型)は、父親からY染色体を1つと母親からX染色体を受け継ぎます。
母親が潜在的に持っている「薄毛要因を持つX染色体」を息子が受け継ぐと、息子はAGAを発症する確率が上がるのです。
ただし母親の持つ2つのX染色体のうち、正常なX染色体を受け継いだ場合はAGAになりにくくなるため、兄弟でも違いが現れる場合もあります。

AGAのもう一つの発症要因「5αリダクターゼ」の活性度は、両親のうち、どちらか活性の高い方の体質を遺伝的に受け継ぐことが分かっています。
すなわち「薄毛要因を持つX染色体」を母親から受け継ぎ、5αリダクターゼの活性度が高い体質を受け継いだ場合、最もAGA発症のスイッチが入りやすくなります。

母親の両親のどちらかがAGAを患っている場合は、AGA発症のリスクがあります。
現在自宅でAGAの遺伝子検査が出来るキットが発売されています。
専門機関や病院でも検査を行っていますので、心配だと言う場合は、こうした方法を試してみるのもよいでしょう。